テレビ朝日の名物ディレクター、ナスDがパワハラと不適切な経費利用の疑惑により、超介処分を受けたことが明らかになりました。3月19日、テレビ朝日は、同社のコンテンツ編成局第2制作部のエグゼクティブディレクターであるX氏が、会社経費を個人的な目的で不正に利用し、517万円を受け取っていたと発表しました。この事案では、ナスDが権力を背景に部下に対して人格否定とも取れる発言を繰り返していたことも確認されています。
ナスDは、2019年から2025年にかけて多くの人気番組を手がけ、特に「いきなり黄金伝説」などでの無茶ぶり企画が話題となりました。しかし、彼の手法には問題が多く、関係者によると、特に外部のスタッフに対する態度が問題視されています。若手スタッフに対しては、厳しい言動が目立ち、時には暴言もあったといいます。
また、ナスDのパワハラの背景には、テレビ朝日の会長である早川浩氏の影響も指摘されています。彼に気に入られることが出世の条件とされ、結果として会長の意向に逆らえない雰囲気が社内に広がっていました。このような状況下で、ナスDに対する批判が上がらなかったのは、彼の地位が高かったためだとされています。
今回の問題を受け、テレビ朝日は経費処理のチェック体制の改善を約束し、再発防止策を講じるとしています。しかし、ナスDのディレクションスタイルは、時代に逆行しているとの声もあり、今後のテレビ制作に与える影響が懸念されています。この一連の問題は、テレビ業界全体におけるコンプライアンスの重要性を再認識させるきっかけとなることでしょう。