3月11日、東京都新宿区で動画配信サイトのライブ配信中、“視聴者”でもある男にサバイバルナイフで刺され死亡した「最上あい」こと佐藤愛里さん(22)。彼女と警視庁が殺人未遂の現行犯で逮捕した高野健一容疑者(42)との間には、数年間に及ぶ金銭トラブルがあった。そのトラブルについて報じた♯4、♯5に続き、事件の深層をお伝えする。
事件直前、SNSに『フィアンセ』と投稿
「佐藤さんに貸した金が返ってこない」 警察に相談したものの解決とはいかず、民事裁判をおこしていた高野健一容疑者。その後、裁判所から佐藤さんに支払命令が出たものの、結局金は返ってこなかった。♯4、♯5で取材班に証言してくれた知人はこう続けた。 「健さんは『月1万円でも返してくれればそれでいい』と言っていましたが、今年の1月31日に東京地裁立川支部で確認したら、最上さんは銀行口座に800円しか持っていなかったそうです。最上さんの『ふわっち』でのプラチナプラスというランクなら、少なくとも月に100万円〜200万円くらい稼げていたはずなのに。彼氏と旅行に行ったり、豪華なタワマンでの暮らしぶりをSNSにあげていたのに、お金がないというのは自分も信じられませんでしたが、最上さん側の言い分は、元カレの会社に借りたお金を返しているので財産がないという言い分でした。」
まさに踏んだり蹴ったり…そう表現するしかない状況の中で、高野容疑者は佐藤さんや「元カレ」への恨みを募らせていったようだ。 「配信での稼ぎは元カレの会社に振り込まれていたらしく、健さんは『もう諦めるしかないのかな』と言っていました。でも実際には元カレではなく、今も付き合っているんじゃないですかね。SNSに事件直前にも最上さんは『フィアンセ』と投稿をしていましたから。」
健さんは性格的に、彼女がSNSでセレブ暮らしを自慢しているのを見ても『お金持ってるよね? だったら返してよ』と強く出ることができないタイプでした。2022年にお金を貸したばかりの頃、消費者金融の返済日が迫り、健さんは最上さんにお金を返してほしいとLINEをしています。でも、最上さんはのらりくらりとお金を返しませんでした。
その時、一度だけSNSで『最上あいさんが借金を返してくれない』という暴露配信を15分くらいやりましたが、配信後はそのアカウントも消していました。 そもそももちょうだいと言われてお金をあげたのではなく、『返すから貸してくれ』と言われて貸したわけですから。それなのにいつまでたっても返ってこず、裁判をしてもダメ…健さんはどうすることもできないって気持ちだったと思います。さらに言えば借金を返してもらうために立てた弁護士の費用もかかっていて、その支払いにも追われていたようです。